漢籍おぼえがき 通鑑続編

元末明初の陳ケイ選。「資治通鑑」及び続編の 金履祥『通鑑前編』に書かれていない、中国を作った神・盤古から高辛氏までの太古の歴史(というより神話)を一巻とし、二巻からは 歴史記述でなおざりにされている遼を取り上げ、資治通鑑のような中華思想に基づかず、騎馬民族側からの歴史を記述するという、独創的な史書である。
これまで殆ど注目されなかった史書であるが、杉山正明氏がこの史書を高く評価している為特に記す。この史書は杉山氏によれば元王朝が成立に関与しているとのことである。
『四庫全書総目』では中華思想の立場に立つ明の周旋の批判を載せており、余り高い評価を与えていないが、同時に陳ケイが硬骨漢であったことも記している。

この史書の執筆中、「趙匡胤が自ら立った」と書くと、机に雷が落ちたという。しかし陳ケイは恐れず、「雷が私の手を直撃しても、この記述をやめるわけにはいかない」と いって執筆を続けたという。

趙匡胤は宋の太祖で、宋という偉大な王朝の開祖として中国の帝王の中でも神のごとき存在であり、つかえていた王朝から政権を引き継ぐ際にも臣下から強制されてやむなく引き継いだということに なっている人物である。趙匡胤が自分から政権奪取に動いたことを記すことは中華思想からすれば許しがたいことであった。陳ケイは中華思想を敢然と無視した人物であった事を、 このエピソードは記している。

陳ケイは趙匡胤が弟に暗殺された「燭影斧声」事件も記しており、『四庫全書総目』から批判されている。
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松平俊介

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松平俊介(まつだいら・しゅんすけ)
雑誌ライターやwebディレクターをしております。webデザインからwebマーケティング、ライターまで何でもやっております。これまでに色々なプロモーションを手がけて参りました。過去には週刊SPA!等に関わっておりましたが、現在は「連載JP」(東京産業新聞社)や、neverまとめ(NHNジャパン)を中心に執筆しております。
趣味は街歩きと歴史研究です。

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